シンとコシ

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先日、所用で名古屋に出掛けた。
行き先は栄の近くで、久しぶりだった。というのも、名古屋は2000年に名古屋駅ビルを建て替えて、タカシマヤやマリオットアソシアホテル等が入ったJRセントラルタワーズ(写真はフリー素材より)が出来たことにより、駅前のイメージがガラリと一新し、また、向かい側にも同様の高層ビル、ミッドランドスクエア(正式名称:豊田・毎日ビルディング)も出来たことで、便利でオシャレな地域へと再生し、名古屋の中心的な繁華街である栄に行く機会がめっきり減っていたからである。


山本屋.JPGそれはともかく、用事が終わると、お昼が近づいていた。
“昼飯でも食うか”と、冷えた体で思い付いたのが「味噌煮込みうどん」だ。
そこで、昔に行った記憶がある店に行ってみた。
店の名称は「山本屋」で、味噌煮込みうどんでは名古屋で有名な店である。
実は、ひとつ確かめたいことがあった。というのは、以前に、ある食通の方と話をしていた時に、私が「山本屋のうどんの麺は、コシでは無くシンのようだ」と言うと、その方は「いや違う、あれは絶対にコシだ」と強い口調で言われ、「シンだ」「コシだ」と、少々押し問答になったことがあった。
そう、それを確かめねば、との思いがあったのだ。
味噌煮込みうどん_2.JPG
注文をして、煮込みの時間がかかる間に運ばれてきたのが漬物だが、やはり、きちんとした味をしていた。
やがて、グツグツと煮立った味噌煮込みうどんが運ばれて来た。
周りのお客さんを見ると、その土鍋の蓋を取り皿にして食べている、“ああ、そうだったな”と、思い出すように蓋に熱々の麺を取って食する。
非常に太い麺はゴロゴロした食感だが、その存在感と共に美味い。
味噌も見た目のように濃い味ではなく、丁度良い味を出している。
そして肝心のシンはというと、いや、これはコシだ。
ウーン・・・間違い無くコシだ。
負けたな、コレは。
でも何だったのだろう、以前にシンと思ったのは。
あれは四日市の山本屋だった。そうだ、四日市にマツザカヤが出来た時に山本屋が入り、そこで食べた時のことだ、そう、シコシコ感では無くネッチリ感だった。
あれはやはりシンだった。と、我ながら往生際が悪い。
ま、どうでもいい話だけど。
寒い時には熱い饂飩が美味い、という話。

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