デザインの力 その2

〇ゆふいんの森.jpg
先日、ジェイアール名古屋タカシマヤで熊本地震復興支援企画として「鉄たび展」が開催された。
主催は中日新聞社で特別協力社として原鉄道博物館、ドーンデザイン研究所、また協力会社としてはJR九州、九州鉄道記念館、九州観光推進機構、JR東海、新宿歴史博物館などが名を連ねた企画だが、個人的には、鉄道模型の原鉄道博物館と、そして何より、ドーンデザインが見られる、ということで二回も足を運んでしまった。


このタイトルを「デザインの力 その2」としたのは2009年2月10日に「デザインの力」を書いていたからだ。
http://www.hatagawa.net/cgi-bin/mt/mt-search.cgi?search=%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%8A%9B&IncludeBlogs=3
無論、鉄道に詳しい方は当時から水戸岡鋭治氏のことはご存知の話だったが、丁度、私が所用で九州に行き、「白いかもめ」や「817型」に乗り、また「ゆふいんの森」を含め、いくつかの列車、そして駅のベンチなど、多くの水戸岡作品を見て、工業デザインによって企業の活性化に大きく貢献するのでは、との感じを受けて書いたものだった。
〇観光列車王国九州.jpg
その感覚は間違っていなかったようでJR九州は、今や観光列車王国と謳うほどの活性を見せ、観光地に行くことは、個々の観光列車により「鉄道たび」を楽しむことを目的とするに至っているのである。
〇815.jpg
そのデザインを担当してきたドーンデザインの中身が見られる、というのは最も興味を惹くものだった。
それは予想に違わず、まさに素晴らしいイラストによるプレゼン資料(と思われる)が見られた。
〇ドーンデザイン_1.jpg
ドーンデザインのスペースはさほど大きくは無かったが、まさに私にとっては玉手箱、この場をなかなか離れることが出来なかった。
〇あそボーイ.jpg
「SL人吉」自然とのコントラスト美しい。
〇イラスト色々.jpg
色々な車室内のデザイン。
〇ドーンデザイン椅子.jpg
また、椅子も三種類が展示されていた。水戸岡氏得意の木製の構造を持つ椅子だが、私は以前に817系に乗って感心したが、氏のデザインは見栄えだけではなく、実はすわり心地が非常に良いのである。
〇魚眼表現.jpg
きりが無いので沢山載せられないが、イラストとしての圧巻はこの魚眼レンスで写したような「やませみ」の室内デザイン。その絵の発想と技術に感心してしまう。
〇格子の表現.jpg
もうひとつだけ、これは「或る列車」の車室内デザインで、この奥と手前にある組子格子を見事に描いている。もはや、その凄さには驚くばかりである。
〇レイアウト_3.jpg
さて、今回の「鉄たび展」の主体は原鉄道模型博物館である。それは昔、九州鉄道がアメリカに発注した豪華列車の「或る列車」で、一度も営業運転されることなく悲運の列車なのだが、その図面を元に生前、原氏により製作れた1番ゲージの「或る列車」が今回のイベントの主役であり、大きなレイアウト上を快調に走っていた。
〇展望車.jpg
さすがに1番ゲージは大きく存在感があり、また、内部までキッチリ作り込まれた模型には、素人さん・・・失礼、鉄道模型に興味の無さそうな一般の来場者も興味津々で、おばちゃん達も「ワーッ、中の椅子からピアノまで出来てる、凄い!」と、子供のように喜んでる姿を見ると、何か嬉しくなりましたね、鉄道模型を趣味に持つ私も。
さて、「デザインの力」。
見事にJR九州の力になった訳だが、
一方、営業的に厳しい状況のJR北海道。
考えてみれば北海道は観光地としては九州に勝るとも劣らぬ資源のあるところだと思える、自然の景観、美味しい食べ物、その他、北海道の魅力は以前より多くの人の足を観光に駆り立ててきた。
無論、それ以上に厳しい営業条件があるのが現実だろう。
夢かも知れないが、それこそドーンデザインの「デザインの力」で何とか再生が計られないだろうか。
夢かも知れないが・・・
〇プレゼン.jpg

タイトルとURLをコピーしました