京都御所、京都の町の真ん中に位置し広大な敷地を持つ。写真は京都御所(京都御苑)を囲む塀である。
近年、京都御所が公開されるようになり、このゴールデンウイークに訪れたのだが、ところが、この日に限り「葵祭のみそぎ」行事が行われているとのことで見学が出来なかった。
そこで、同じ敷地内にある京都迎賓館を見学することにした。
京都は幼少の頃から育ったところなのだが、そこを生活の場としていると以外と観光地等に行く機会を持たないもので、今は京都を離れ、また歳をとったこともあり、京都の名所、旧跡に改めて行くようになってきた。
日本の迎賓館は東京の赤坂迎賓館と、この京都迎賓館のふたつである。
赤坂迎賓館がネオ・バロック様式の洋館建てなのに対して、京都迎賓館は数寄屋造りや入母屋作りの形式を取り入れた和風建築で作られている。
「夕映えの間」大臣の会合や礼式、お茶のおもてなし等に使われる部屋。
晩餐会の待合としても使われる由。
何よりも壁面の装飾が立派、綴れ織りの織物画が飾られている。正面に見えるのは京都の西、愛宕山に沈む夕陽で、反対の東側には比叡山を照らす月が画かれている。
京都迎賓館で最も大きな部屋の「藤の間」。
60名から120名の会食が可能で、晩餐会や式典の会場として使われる。
写真が下手なので広さが表現出来ていないが、部屋の広さと共に天井の凝った照明に圧倒される。
壁面の、やはり綴れ織りで作られた織物画は横に16.6メートルもある立派なものだ。
「桐の間」。
和の晩餐室で京料理でもてなされる。舞妓さんや芸妓の舞も行われる由。
やはり足元は掘りごたつ風になっていた。
建物は東西に分かれてあり、平安神宮を思わせる廊橋でつながっている。
そして、池には大きな錦鯉が泳ぐ。
中ほどに和舟が見えるが、ブータン国王が訪れた時に乗られた写真が飾られていた。
廊橋の屋根の内側、梁の部分に鈴虫が切り込まれていた。
全てが立派に作られた建物。そんな中に少しの遊び心がおり込まれている。
この粋な計らいにホッとする。
パンフレットをスキャンしたので、よろしければ拡大してご覧になって下さい。
ん、何か表現が上品になってるぞ。
生憎この日、御所の内部は見られなかったけれど、この迎賓館が見られたのはとても良かった。
日本の美しさ、現代和風建築の粋、見事な壁の織物絵、日本最上のおもてなしの印象、など、いいものが見られて大満足だった。
あ、ついでに。
無論、迎賓館で頂いたのではないけど、この日、京料理を食したので写真を。
何度か行っている店なのだが、京料理のおいしさに毎回感心させられる。
出て来る全ての料理が美味しいのだが、出汁の美味さ、薄味の中に深みがある、とでも言おうか。
こうして京都の町。
京都迎賓館と言い京料理と言い、日本の良さに浸れる日を過ごした。
「いやー、日本人で良かった」と。