フィンランドはヘルシンキ中央駅の中にあるレストラン。
まるで昔の映画にでも出てきそうな風景である。
列車で旅立つ前に、ここで食事を摂り出発を待つ、そんな風情を思わせる。
フィンランドの建築は、北欧のモダンデザインが多く見られたが、一方ではこうした威厳のある建築も現存し、やはりヨーロッパは深いなぁと思わせるものがあった。
いきなり話が変わるが、日本の東海道新幹線では、車内販売が無くなった。
確かに、私も車内販売を買うことは少なかったし、せいぜいコーヒーを頼むくらいであり、要するに、車内販売の利益が少ないのは見て取れた。
多くの人は乗車前に飲食物は購入して乗り込むので問題無く思えるのだが・・・
しかし、例えば海外から来た人(インバウンドの増えている現在)や、飲物も買わずに乗られた方はどうするのだろう。
長距離を移動するのが新幹線、喉が渇いても空腹になっても車内には自販機すら無い。無論、食堂車やビッフェ車両も無い。また、スーツケースを置くところも無く、足元にスーツケースを抱えている姿も見受けられる・・長時間。
加えて言うなら、切符にはアルファベットの標記が無い。駅名、列車名、車両番号、シート番号など。せめて下にNozomi、Car、Seat、あたりは入れるべきと思う、因みに、私は外国人を駅まで送った際、切符に鉛筆で上記アルファベットを記入した思い出がある。
新幹線の高速での速達性や超過密ダイヤでの定時運行、そして人身事故ゼロの安全性は世界に誇れることであることは間違い無いが、しかし、単純にこうした乗客の不便や非快適性を如何に思われているのだろうかと思う。
イギリスに行った時、キングスクロス8時00分発のエジンバラ行特急(本来英国では特急など付けない)のファーストクラスに乗ると、フル・イングリッシュ・ブレークファーストが無料サービスで振舞われた。無論、ホットミールである。(2016年)
先の写真は東海岸線の特急列車で、こちらは西海岸線の特急ペンドリーノ。
途中駅のカーライルから乗ったのだが、すぐにアテンダントがワゴンを押してきてコーヒーとサンドイッチなどをサービスしてくれた。
緑の広がるイギリスの景色と共に、それぞれ快適な列車旅だった。
イギリスの鉄道は日立製の車両を多数採用するなど、斜陽のように思われているかも知れないが、その車内サービスや快適性は日本の比ではない。
一方、こちらはスペイン国鉄(renfe)のファーストクラスの昼食サービス(無料)だ。
飛行機の機内食によく似たランチが出された。(2012年)
同じくスペインrenfeのビュッフェ車内。因みに車両はフランスのTGVと同じもので、高速列車。
オリーブ畑の続くスペインの景色も、空の青さと共に退屈することなく楽しめた。
ついでにドイツの急行列車の食堂車、窓の外にはライン川が見える。
ライン川の景観を眺めながらの旅行は思い出深い。
因みに、これらのヨーロッパの車内写真にあるようにカーテンなどは閉められていない。車窓の景色を楽しみ、飲食をも楽しむのが鉄道旅行の醍醐味ではないだろうか。
しかし、日本では日照側の窓は見事にカーテンが閉め切られ、多くの人は寝ている。つまり、鉄道は移動の道具としてのみ使われているのが殆どの姿になる。
話はヘルシンキに戻って、フィンランド国鉄VRのインターシティ(特急列車)、総2階立ての列車で、当然ながら中間には食堂車がある。
「旅情」か・・
ふと、ヘルシンキ中央駅のレストランで思ったこと。
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