ホンダ販売三重北さんのご好意で、新しいSUV ホンダZR-Vに乗る機会を得た。
私の乗るヴェゼルより、車体もエンジンも一回り大きなクラスになる。
乗せて頂いたのはe:HEV Zで、2リッター直噴エンジンとツインモーターを組み合わせたハイブリッド車である。
ヴェゼル同様のホンダらしい素晴らしいドライバビリティは、運転すること自体を愉しめるクルマだった。
■インテリア
インテリアは最近のフラットなデザインで、ダッシュボード上やドアの内張りなどソフトパッドが張られており高級感がある。ヴェゼルにはシフトレバーがあったがZR-Vでは押しボタン式になりセンターコンソールがスッキリした。シートはミシンステッチが入る少しスポーティなイメージで自然で良いポジションがとれる、電動スライド付で乗降時にはシートは後ろに下がる。
■走ってすぐに判る、走行性能の凄さ
2リッター直噴エンジン(141ps、18.6kgf m)とモーター(184ps、32.1kgf m)の組み合わせは強烈である。
まるでテスラで味わった超高性能と同様の強力な加速が、ごく自然に味わえる。さほど深い踏み込みをしなくとも胸の透くような加速を常に得られるので何とも気持ち良い。ヴェゼルではアクセルを大きく踏み込むとエンジンが唸って頑張って高加速を発揮する感じで、少々うるさいのだが、流石に2リッターエンジンとモーターの高トルクで、僅かに高まるエンジン音と共に余裕で加速していく。無論、排気は防音を気遣われたのでもあろが、ダブルエキゾーストからの音色は良い。
ブレーキはヴェゼル同様に素晴らしいが車体が重い分、比較すると多少緩くは感じる。しかし、コントロールユニットのセッティングの成せる技なのか、つまり回生と油圧のバランスが絶妙で、踏力に対しての制動力の感覚が良い。加えて、走り出しの低温時でも自然な踏力/効きが得られる。ヴェゼルと共に基本的に素晴らしいブレーキ性能である。
■ホンダセンシング(安全運転支援機能)
120km/hまでだが高速道路での走行を行ったが、当然ながら車は非常に安定している。
僅かなスロットルでスピードは出るので、むしろスピード違反に要注意だ。
今や、速度違反をしない方法は運転支援機能を活用することだ。例えば100km/hに設定すれば決して100km/hを超えることは無い。
そのホンダセンシングは、やはりヴェゼルより多少進化していて、路外逸脱抑制機能の、レーンを示すラインは前方まで延びて、しかもカーブまで表す、そして前方の車だけでなく隣のレーンの接近車も車種別(トラックか乗用車)で表示される。自車のブレーキランプが表示されるのも良いこと。
ただ、車間距離の設定表示(左上の横棒)は小さくなり見づらく、やはり前車の間に示されるのが良い。
明らかに良くなったのは、レーン保持支援の設定速度で、0km/hから機能するようになっている。
というのも、ヴェゼルでは65km/h以上で機能設定が出来、速度が落ちると50km/hでキャンセルされてしまう。例えば、高速道路を出る時など、本線から料金所に向かうカーブの中でいきなりハンドルが重くなり、支援が無くなりしっかりハンドルを操作をすることになる。また、60km/h以下の一般道でも走行ライン保持を支援されて道のセンター部分を走らせてくれる方が有難い場合が多く、レーン保持支援は多くの人にとって安全であると思っていた。
それが、ZR-Vでは0km/hから機能するようになり、とても良いことだ。
ヴェゼルもバージョンアップでやってほしいものだ。
■トランクルーム
試乗車なので看板が入ったままの写真だが、しかしトランクルームの大きさ/奥行が判るだろう。
実はヴェゼルのトランクは狭い。天地方向もクーペ的なデザインでガラスが迫り、荷物はあまり積めない。しかし、このZR-Vは充分な荷物スペースが確保されている。
というように、何かヴェゼルとの比較ばかりになってしまったが。車格が違い、車両価格が違うのだからレベルアップは当然の話である。
逆にヴェゼルが明らかに勝っているのは燃費だ。走行しながらメーターの平均燃費の数字を見ていたが、ZR-Vは大体15km/Lあたりの数字で、同様の走りならヴェゼルなら21km/Lあたりを示すだろうと思えた。
あとは、個人的に暗い車内を好まないので、黒色基調インテリアのZR-Vから、私のヴェゼルの明るい車内に入るとホッとした。(下は私のヴェゼル)
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