この美しい構造美。
銀色に輝く架線柱やその周りの造形をはじめ、綺麗に伸び、あるいは曲線を描く線路。瀟洒な停留所にプラットホームなど。
まるで海外の駅にも見えようが、でも日本の新しい鉄道だ。
もう、お気づきの方も多いと思うが・・・
宇都宮ライトレールの平石停留所である。
後ろの築堤は国道4号線だ。
その平石停留所から南に分岐した所に、この大きな車両基地があり、多くのLRT車両が開業に備えている。
こちらは宇都宮の駅の東口から東に延びる鬼怒通りの工事区間。
綺麗な通りで、新しく整ったビルの前をLRTが通ることになる。
やはり、このシングルアームの架線柱の綺麗さに感心してしまった。
いずれは経年により汚れてしまうのだろうが・・・
さて、私はわざわざ宇都宮ライトレールを見に行ったのではなく、仕事で「モビリティリゾートもてぎ」に行った折、レンタカーから見て感心して、そして、帰りに少し寄り道をして車両基地を写しに行った次第だ。
日本では、以前は各都市に路面電車が走っていたが自動車の普及と共に殆どが廃線となり、広島や岡山、熊本、長崎、富山など、一部の都市でのみ残った状態であった。
一方、ヨーロッパではLRT(Light Rail Transit)と呼ばれる低床車両が開発されて、バリアフリーで乗降が楽な上、車内も段差がなく、また騒音や振動が少なく快適性に富むことから、再び路面電車が見直される状況にある。
前述の日本の各地の路面電車もLRTを採用し始めているが、こうして宇都宮ライトレールのように、全く新しい路線を作ることは珍しく、言わば快挙ですらある。
終始点の宇都宮駅東口。
このあたりで試運転では脱線事故もあったようで驚いたが、それはともかく、ここから芳賀町に向けて便利で快適な鉄道が開通する。
前述の鬼怒通りは朝夕は車の渋滞がひどく、振興著しい芳賀町、芳賀工業団地に向かうこのLRTによる利便性の向上は大きなものとなるだろう。
「モビリティリゾートもてぎ」つまり茂木町に向かいレースの仕事だったが、その帰路、今度は最新の鉄道LRTではなく、昔の蒸気機関車C12の牽く列車が目の前の高架橋を通った。
真岡鉄道の「SLもおか」が日曜日だったので運行があり、偶然一緒になった。
構造美というタイトルでこの稿を書いたが、蒸気機関車はまさに構造美を感じるし、ドラフト音(ボッボッという蒸気機関の音)に加えて吐き出す煙と共に独特の迫力があった。
期せずして、新旧の鉄道を見ることが出来た日だった。
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