HORNBYとBACHMANN その3

◎DUCHESS_ハイビュー.jpg
このタイトルのコラムも3回目になる。
鉄道模型に興味の無い人は当然ながら、おそらく鉄道模型に興味のある人の中でもイギリス型となると、このコラムに興味を持てない人も少なく無いであろう。
でも、そんな日本ではニッチなイギリス型の鉄道模型趣味ではあるが、逆に専門誌を含め日本のメディアで紹介されることも少ないので、いち情報として見て頂ければと思う。


タイトルの写真は、Duchess(ダッチェス)クラス蒸気機関車の牽くPullman(プルマン)客車列車で、今回は、そのプルマン客車を紹介したい。
◎プルマン.jpg
オリエント急行に使われていたことで知られる豪華な作りのプルマン客車だが、この模型もホーンビィ社のフラッグシップたる製品だろう。
プルマン客車シリーズは大きく分けて2種類出ていて、腰板部に縦筋の入るもの(MATCHBOARD)と、平坦なもの(FLUSH SIDE)で、同時に屋根の色が前者は白で後者はグレーとなり、私は、その屋根の真っ白さが気に入って前者を選んだ。
◎ドア周り.jpg
まずはテーブルライトが目を引くが、ちゃんと電気スタンドの笠まで表現されているあたり、このモデルへの力の入れようが窺い知れる。
よく見ると(写真をクリックして頂くと拡大する)ドア周りの手摺りや、ドアハンドルの微妙な形にまで拘って作られているし、屋根上の配管、ベンチレーター、ランボード等も外付けで立体的に表現されている。写真を拡大して気付いたが、連結面の妻板周りのパイピングやバルブのようなものも作りこまれている、そしてカーテンのリアルさに驚く、カーテンの皺の表現や留め紐に至るまで!、よくもこんな細かな造形が出来るものだ。
外付けと表現しているのは一体成型でないことを言ってるのだが、また、それらの外付けパーツはユーザーが取り付けるのではなく最初から取り付けられているもので、箱から出せばこの状態である。
日本の模型によくある面倒なユーザー取付けパーツ類はホーンビィ製品では非常に少ない。
塗装も細かなラインや装飾部分まで表現されており、また室内も深いエンジ色の落ち着いた色なので明かりにより照らされても、プラスティックの安っぽさが見えない。このあたりも日本の模型は一考すべきだろう。
◎集電シュー.jpg
因みに、車軸の真ん中にシューを擦り付けて集電する方式だが、意外と効果的なようで、殆どテーブルランプのチラつきが無く(3線式のメルクリンよりは劣るが)綺麗にテーブルライトが光を放って走る。
という内容のプルマン客車だが、これだけの内容の製品にもかかわらず、
価格が3,500円/両 というのも驚きである。
続いては、Class31型ディーゼル機関車。
◎Class31ウインド.jpg
日本流ならDF31といった名称になるであろう、動力6軸のF級機だ。
元々、興味のあった機関車では無いのだが、販売しているメディカルアート社に行った折、レイアウト上で走りを見せて頂き、デジタル・サウンドから発するエンジン音が独特で何故か惹かれた。ショーウインドの上で良く見ると、ディテールも良く出来ている。
良いものを見せてもらったと帰路についたのだが、店から最寄の石神井駅まで歩いて向かう道すがら、あれは買うべき製品だと、踵を返し店に戻って購入した。という経緯があった。
因みに、実物が電気式ディーゼル(エンジンは発電用で動力はモーターによる)であり、よって、このモデルも加速時の車速とエンジン音がピタリとリンクしないが、それもまたオツなもの。
そして、日本やドイツのディーゼル機関車の音とは異なり、アイドリンクでは”ドッコン・ドッコン”と大雑把でゆっくりした回転音が独特である。時折り入るコンプレッサー音なども良い感じの音で、駅に止まっているだけで存在感がある。
◎Class31運転台.jpg
憎いのは、屋上の冷却ファンが回ったり、このように運転席ドアを押すと開く。ついでに運転席を見ると、かなり作り込まれているのが判る。
ただ、惜しいのは、せっかくここまで内部を作っているのに、運転室用のライトが無いので通常は見えない。
◎Class31とMk1.jpg
MK1客車(BACHMANN製)を牽くClass31。
走行性能は、基本的にホーンビィとバックマンの製品は、モーターやギアの音が殆ど聞こえず静かで、そしてスムーズに走る。(トミックス製品に似ている)
それにデジタル・コントロールが加わる訳で、走行は当然、よりスムーズだし、モーターやギアの音が殆ど無い分、サウンドのスピーカーから出る音もクリアーに聞こえる。
因みに価格は25,000円だったが、デジタル・サウンド仕様としては破格である。
いやー、英国型が(英国型も)好きで良かった良かった。
◎Class31_1.jpg

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