日々のウオーキングは自宅から50分程度のルートで歩いているのだが、ときどき、特に日曜日には隣町となる神戸(かんべと読む)の街を歩いている。
神戸の街は昭和や、それ以前を感じさせる街並みが見られて愉しいからだ。
神戸は鈴鹿市の中心であり、また昔の伊勢街道にある。
今、見ると何でも無い狭い通りだけど、江戸時代には全国からお伊勢参りの沢山の人々が通っていた街道である。
もはや、昔の風情を感じる所は少なくなり、この場所も平日は神戸高校の生徒さんが沢山通う通学路だ。
だからウオーキングは休日に行くのだけれど。
ごく一部には、こんな呉服屋さんもあり昔を偲べる。
四日市と津の間に位置する神戸の街なのだが、昔の人はお伊勢さんも近づき、心を弾ませつつ、このあたりを歩いていたのだろう、と想像する。
と言うのも、「伊勢に行きたい 伊勢路が見たい せめて一生に一度でも」と謳われた、お伊勢参りだったのだから。
そして少し歩くと、今度は昭和の街並みが残る地域に入る。
真ん中の喫茶店が何とも昭和の雰囲気を醸し出している。
喫茶店の2軒向こうは銭湯だ。
「昭和湯」これほど昭和を伝えるものは無かろう。
しかも「昭和湯」から右手に100mも行くと、もう一軒の銭湯「紀元湯」があった。
銭湯か、私も京都に住んでいた頃は銭湯に通ったものだ。
もう少し歩くと近鉄鈴鹿線の「鈴鹿市駅」に出る。
なかなか立派な建物だけど、その様式は昭和そのものである。
終盤は綺麗な地域に入る。
「神戸本通り」鈴鹿市役所から繫がる通りで、近年、整備されて昔の面影を残す街並みが再生された。
何と言っても上に電線が無いから空が広く、ここを歩くと、とても気持ち良くなる。
ここでは昔の建物を再生したような店も並ぶ。
こうして見ると、昔の建築も出来た時にはとても綺麗で華があったのだと感心する。
この通りの最後にある米屋「やまやす」、実際に営業されている。
壁の浮出しの屋号が粋だし、何とも立派な建物だ。
こうして1時間ほどのウオーキングを終えるのだけど、ときどき神戸の街を歩きたくなる気持ちを少しは解って頂けたのではないだろうか。