関宿

旅籠_1トリミング.jpg
ある旅籠の帳場、老いた主人が客を迎える。
といった風情の写真。
結構、雰囲気のある感じに写せたので、たまにはこんな写真も。
これは鈴鹿峠の東側、東海道は47番目の宿場町にあたる関宿にある玉屋という旅籠であり、主人は良く出来た人形。(三重県亀山市関町)
関の名は古代三関のひとつ「伊勢鈴鹿の関」が置かれたことに由来する・・・らしい。


玉屋と町並み.jpg
左手前の建物がその旅籠玉屋で、今は歴史資料館になっている。
さて、関宿は旧東海道の多くの宿場町が消えていく中、もっとも歴史的な町並みが残っていることから国の重要伝統的建造物郡保存地区に選定されている。近年、観光化を目指して町並みが整備され、多くの建物が修復されて美しい町並みが見られる。
関宿の範囲は約1.8キロで、西の端は東海道から大和・伊賀街道、つまり奈良方面への分岐(追分)であり、東の端は西から来たお伊勢参りの人達の、東海道から伊勢別街道への追分までとなる。
郵便局.jpg
左端の建物は昔の高札場跡(よく判らんけど)に建てられた、看板のとおり郵便局で、見かけは古風だが、ちゃんと営業している。
道路は小石の混ざった土色の舗装で町並みに合った落ち着きを出し、何より通りに電線が無いことが空を広くしているが、しかし、左の電柱と電線は明らかに空の景色を汚している。
そう、不思議に感じるのは、こうした昔の町並みに入ると何とも言えない落ち着きを感じるのに、現代のものがあると景色を悪くしてしまうのである。
新築.jpg
建物は今も昔も人工の建造物なのに、昔のものは人に優しい。
それは建物の古さがそうしているのかと言えば、この関では新しく修復された家屋も多く、(無論、昔の形のままで)言わば新築であるのに、現代のデザインの家では感じられない落ち着きというか、何とも言えない気持ちの良さを感じるのである。
果たして、現代の建築や町並みが変わらずに150年以上経ったとしたら、どう感じるのだろうか。
とても、この関宿の町並みのように美しく感じるとは思えず、何故なんだろう、と考えてしまう。
きっとそれはデザインだけでなく材料にも起因していて、現代のコンクリートや石膏ボードや鉄にアルミなど、大きく加工された材料を使うのとは違い、木や土や石という自然のままの材料を使っていることで、例え、それらが柱や壁や灯篭に形が変わっても、あくまで自然を身近に感じられるからではないのかな、などと勝手に結論づけたのだが・・・・

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