宇治に宿泊し、翌朝、やはり早朝に目が覚めてしまい、宇治川の周りを散歩した。
折しもNHKの大河ドラマ「光る君へ」の紫式部の書いた「源氏物語」最後の舞台でもあり、少し興味を持って歩けた。
元々は、前日に趣味の仲間による鉄道模型の「運転会」と称する集まりが、宇治から程近い城陽であり、私も参加していて、且つ、夜には飲み会が宇治で行われたので宿泊を必要とした。
その翌朝なのである。
まずは、鉄道模型から説明すると、「モジュール」と呼ぶ鉄道模型のセクションを各自が製作して、接続部を「HNモジュール規格」で揃えているので各モジュールを繋げて、大きなレイアウトとして、各自が持ち込んだ車両を走らせて楽しむ、というのが「運転会」である。
因みに、当「HNモジュール」は基本的にHOサイズ(1/80前後)で、線路は軌間16.5mm、接続部は高さ94cmとしている。景色は全く自由で、日本の景色の横にドイツやイギリスの景色、鉄橋や街や港のモジュールが繋がる。
今回は隔年開催の「合同運転会」であり、HNモジュールの関西クラブ・東京クラブ・九州クラブから集まり、24名が参加して盛大に開催された。
いつも凄い! と思うのは、この港のモジュール。
建物や道路や石積みの岸壁、そして船舶など実感のある模型の作り。そして、各フィギュアは人の姿勢まで作っているのが凄く、市販のフィギアを、切ったり繋いだりし、服や法被を着せて、動きや姿勢を作っているという。
気の遠くなるような作業をして、この景色が生まれている訳だ。
実は、前日に京都のテレビ(KBS京都)で、我々の仲間の鉄道模型の製作を取材して放映すると同時に、この運転会が告知されたこともあり、会場には沢山の見学の方が来られたのである。
鉄道模型も車両だけでなく、色々な景色のあるHNモジュールは、女性や子供を含め多くの方が興味を持って見られた。
「ワァッ、温泉から湯気が出ている」とか、「風車が回っている」あるいは、デジタルコントロールでSLが「シュッシュッ」と音を出し「ボーッ」と汽笛を鳴らして走る、など、HNモジュールの運転会は他では見られない鉄道模型風景なのである。
そして、運転会の終了後は宇治市内に移動し、写真は無いけど(有るけど見せられない)飲み会だ。そこでは運転会以上に? 盛り上がり、趣味仲間との楽しい時間を過ごした。
先述のように、翌朝、早くに目が覚めたので散歩に出た。
宇治橋の袂には、紫式部の像がある。
宇治川添いに上流に向かうと、河岸に灯篭が並べてあり、それぞれに和歌が描かれていた。
この灯篭には源氏物語の後期の主人公だったかな? 「浮舟」の和歌が描かれている・・
早朝だったので「平等院」は残念ながら開門しておらず、河岸の道から垣根越しに10円玉にある鳳凰堂を見るだけだった。
宇治川の中州にある塔の島に渡った。
石塔を見て思い出したが、確か昔に、ここに来たぞ・・・と。
おそらく私が小学生の頃に家族で来た、ウーン 70年近くも昔の話になるのか ・・?
朝霧橋で宇治川を渡って向かい岸に来ると、細いが綺麗な道が通っている。
確か、こちらの河岸には昔「おとぎ電車」が通っていて、何とかダムまで行っていた。
凸型電機(機関車)が小さな客車を牽いていたゾ・・・と。
さて、昔話はこれくらいにして、宇治市内には「源氏物語ミュージアム」がある。
朝の散歩は宇治川沿いを終えてホテルに戻り、一休みしてからチェックアウトをして向かった。
「源氏物語ミュージアム」は清楚で洒落た建物だった。
内部の殆どの場所は撮影可能だった。
展示室「平安の間」には、六条院の模型が展示されている。
まるでテレビの「光る君へ」のワンシーンのようにも思える。
そして、平安時代に現存していたように思えるが、六条院は「源氏物語」に出てくる光源氏の邸宅であり架空の建造物なのである。
紫式部の画像。
作家である紫式部の書いた作品「源氏物語」。その言わば小説をテーマとして作られているのが、この「源氏物語ミュージアム」であり、全54帖の最後の10帖の舞台となったのが宇治という訳だ。
まるで実在したかのような各展示物や、ムービーでの解説に、不思議な感覚を覚えた。
それにしても、このミュージアムを企画し、創った宇治市も「良くやるなぁ」とも思った。
PS:宇治橋の横にはJR奈良線の宇治川橋梁があり、近年複線化したので、このような写真が写せた。
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