日永駅にて、今も元気なナロー鉄道。
私の家から車で15分、「四日市あすなろう鉄道」の南の終点、内部駅がある。
あまり聞き慣れない鉄道名だと思う。
三重県は四日市を起点に南に伸びる小さな路線で、四日市市が保有し、近鉄の参画する第三セクターの鉄道である。
その名称の「あすなろう」は「明日に向かって」と「ナロー(狭軌)鉄道」であることに由来するとのことで、なかなか洒落たものである。
会社設立の経緯は、などと言い出すと長くなるので止めるが、とにかく、2015年から当鉄道になり、それまでは近鉄の路線(近鉄内部線/八王子線)であった。
内部(うつべ)駅。
駅舎は古いが駅前のロータリーを含めてよく整備され、ICカードも使えるなど、ナローの鉄道とは言えども軽便の印象では無く、営業路線として現在に生きている。
車両は近鉄より譲渡された260形を更新し、ご覧のように、とても綺麗なもの。
全て3両編成で、この四日市側の先頭が動力車で後ろ2両は付随車(1M2T編成)である。
何より、この動力車は古い近鉄の車両の下回りを利用した更新車であり、今や全国的にも稀な「吊り掛け駆動方式」である。
昔、電車に乗ると”グワーン、ウウーン”と唸りながら加速して行ったもので、その懐かしい音が聞けるのである。
因みに、You Tubeでは、下記のURLでご覧になれる。
車内もご覧のように美しく、車体幅が狭いので一人掛けのシートが並ぶ。
連結面上部には案内モニター2面があり、車内放送で驚いたのは、日本語の後に英語での案内まである。
途中下車した日永駅には、こんな展示があった。
一番手前の台車が当あすなろう鉄道(軌間762mm)のもので、その向こうの車輪(軌間1062mm)と、一番先の幅広の車輪(軌間1435mm)の展示、つまり3つのゲージの可視化展示である。
その向こうの説明書きが下の写真になる。
そうなんだ、昔は全国にあったナローというか軽便鉄道は廃止されてしまい、今や762mmのナロー鉄道は全国で3社(四日市あすなろう鉄道、三岐鉄道北勢線、黒部峡谷鉄道)だけなんだ。
でも、その二つが、この近くに存在しているのも奇遇ではある。
鉄道に興味を持つ者としては、恵まれた環境とも言えるのかな。
因みに、舌を出しているのは四日市のマスコットキャラクター「こにゅうどうくん」。
内部から7駅、終点、あすなろう四日市駅は近鉄のガード下にある。
写真では車両の上方に近鉄の架線柱が見える。
平日のお昼前、つまり閑散時間だったが、30~40人程度の乗客が降りた。
何とか、多くの利用客で経営を安定持続してほしいと願う。
残念ながら鈴鹿にはビアホールが無い。
だから、という訳では無いが、四日市に行くと向かうのは此処「アサヒビアケラー」だ。
たまには昼間っから黒ビールを・・・