久しぶりに鈴鹿サーキットホテルに泊まった。
部屋はSouth棟で少しレストランからは遠く、しかし朝の澄んだ空気の中、ホテルの庭を歩いて朝食に向かった。
ふと横の駐車場を見ると、3台のスポーティなロールスロイス(RR)が停まっていた。
やはり今日のイベントにはこうした車が、さりげなく居るのが似合うな、と思った。
「RICHARD MILLE 鈴鹿 サウンドオブエンジン2018」が開催された。
世界的に歴史的価値が高い往年の名車を集め、F1をはじめモータースポーツの歴史を振り返るイベントである。
今年は Masters Historic F1 のレースが組み込まれた。つまり正式なレースであり、私は審査委員として参加し、ホテルにも泊まっていたという訳だ。
そのことは別にして、毎年このイベントを楽しみにしているのは色々な貴重な車が見られるからである。
ピット裏のパドックを上から見ると、ご覧のように、新旧のスーパースポーツカーがズラリと並ぶ。
1967年の「ポルシェ910」と後ろには1965年の「ポルシェ904」。
「フォードGT40」と、その向こうには「トヨタ2000GT」。
グループCカーの1991年「プジョー905」も招聘されていた。それにしても、走行では飛び出したりスピンしたりと結構な勢いで走らせていた。
また、グランドスタンド裏のグランプリ広場にも、色々な名車が展示されていた。
私が関係していたのは、このヒストリックF1レース。
1966年~1985年のF1で、自然吸気3リッターエンジンによるもの。
ヨーロッパではシリーズ戦が組まれている。
以前のF1そのものでレースをしてしまうという、何とも高級なレースだ。今回は日本人3名を含む23台が参加した。
ヒストリックカーレースというと、高価なレーシングカーをお金持ちが大事に大事に走るのだろう、というイメージを持たれそうだが、さにあらず。
通常のレースと変わりなく目一杯の全開走行だ。やっぱりな、と思った。
私はイギリスでヒストリックやクラシックのレーシングカーによるレースも見ているが、全くの全開走行で、ブガッティもMGもドリフトして走っていて驚いた。
そうか、レーシングカーとは、全開走行させてやることこそレーシングカーの姿なのだと。