シーズン開幕  面白い年になりそうな予感

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いよいよ今年もモータースポーツのシーズンが開幕した。
私の関係する全日本F3選手権も鈴鹿サーキットのレースからシリーズのスタートを切った。
その初レースは、何か今年は面白いシーズンになりそうな予感を感じさせるものだった。


F3レースとは、FIA(国際自動車連盟)の定める規則で行う世界基準のレースであり、車の性能/位置づけを含めてドライバーの実力や資質を見分けるには最適なカテゴリーとして長い歴史を持ち、ヨーロッパを中心に数か国で選手権が組まれている。
日本でもプロフェッショナルドライバーになる直前のレースという位置にあって、野球に例えるなら高校野球の甲子園大会と思ってもらえば良く、ここでの活躍が即プロへの入口となる。
そして、既に自動車メーカー系のドライバーとしてサポートを受けている選手も少なくない。
とはいえ、F3レースの成績次第でプロへの道が決まることにもなるのであり、通常2~3年以内に、言わば当落が決まってしまうのである。
だから、若手ドライバーのF3レースに臨む姿勢がどのようなものか、想像頂けると思う。
その高校野球の甲子園大会のようなアマチュアリズム最高の試合が私は好きなのである。
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ということで今年も若い彼等のレースが始まることになるが、こうしてグリッド後方から見ると、スタート後の喧騒が想像出来て、こちらまで胸騒ぎしてしまう。
レースの写真は無いので言葉だけになるが、レースは土曜日に第1戦、日曜日に第2戦が行われた。
因みにF3レースは、「チャンピオンクラス」とコスト・性能を抑えた「ナショナルクラス」の2クラスがあり、当然ながらチャンピオンクラスが速い。
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第1戦では、今年F3チャンピオンクラスにステップアップした山下健太選手が初のF3レースで、いきなり優勝を飾った。
写真はレース後の記者会見の模様で、真ん中の白いレーシングスーツで、今まさにコメントしているのが山下選手。
彼は、昨年までは私もアドバイザーをしていたFCJレースに参加しており、そのFCJも参加初年度でいきなりチャンピオンを獲得してしまった才能豊かなドライバーである。
山下選手とはFCJだけでなく、その前のスーパーFJから関わっていた。というのも、スーパーFJからF4に上げる奨学制度(スカラシップ)の運営を私は行っていて、その前年度末に開催する「スーパーFJ日本一決定戦」でスカラシップ選考を行うのだが、そこでもズバ抜けたスピードを見せてスカラシップ生に選考され、昨年はFCJと共に、そのF4にも参加して、こちらもチャンピオンを獲得している。
もうひとつ、F3のナショナルクラスでは、やはり初参加ながら3位に女性の三浦愛選手が入り、多くの注目を集めた。
写真では一番左の選手。
スタート良くクラストップに立ち、レースの殆どをリードしていたが、終盤に2台に抜かれ、それでも3位でフィニッシュした。
いつもは、あまり多くないF3レース後の記者会見ではあるが、山下選手という新星の登場と、日本のF3レース史上初の表彰台を掴んだ女性ドライバー”愛ちゃん”効果により、会見場には多くのメディアの方が集まった。
そして、翌日曜日の第2戦。
山下選手は前日の記者会見でのコメント、「スタートが下手くそだから予選1位でも後ろに下がるでしょう」の言葉どおり、ポールポジションからスタートしたにもかかわらす5位にまで落ちてしまうが、その後、2台を抜き返して3位でフィニィッシュして表彰台を獲得した。
一方、“愛ちゃん”はスタート良くクラストップに立ち、若手の精鋭と昨年のクラスチャンピオンに追われるレース展開となる。
かなり体力を必要とするF3レースなのだが、最後までペースが崩れることなく、彼等に仕掛ける暇も与えずに、何と何と優勝してしまった。
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もうメディア的には恰好のニュース材料であり、記者会見は昨日よりも一段と人が増えた。
公式会見が終わった後も“愛ちゃん”は追加インタビューをいくつも受けていた。
良かったなぁ、”愛ちゃん”。
彼女も昨年まで3年間FCJに参加して腕を上げてきたドライバーである。
実は、私も彼女の運転をよく見てきたし、アドバイスも多く行ってきていた。
本当に真剣に、真摯に運転に向き合い、一歩ずつ努力を重ねる姿は誠に印象的であった。
F3に乗る為に体のトレーニングも重ねてきたはずである。
でなければ、鈴鹿の17周のレースではペースが持たない。
本当に、よく頑張ったなぁ。
本当に良かった“愛ちゃん”。
あ、山下君も。

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