Southern Railway (SR)
ビッグ・フォーの最後はSRだ。
スペインの話題が続き途切れていたが、忘れてしまった訳ではないですよ。
写真は「ゴールデンアロー号」を模したもので、ブリタニア・クラス(Britannia Class)の機関車がプルマン客車を牽く。
ビッグ・フォーのエリア図では、下の茶色い部分がSRのエリアになる。
つまり、SRはロンドンより南の地域であり、面積的には4つの鉄道会社でも非常に狭いエリアしか持たなかった。
しかし運行範囲が狭いにもかかわらず、ロンドン周辺の人口密度の高い地域で運行しており、LMSやLNERが貨物輸送を重要な収益としていたのに対してSRは旅客輸送を中心としており、イギリスの全旅客輸送の1/4以上を運んでいた。
写真が無いのでグーグルマップのストリートビューを使わせてもらうが、SRの代表的なロンドンの駅は有名な「ビクトリア駅」だ。バッキンガム宮殿やビッグベンにほど近いイギリスを代表する駅である。
SRは小さいエリアしか持たないながらも、パリに向かう「ゴールデンアロー」や、アジアに向かう「オリエント急行」という権威ある国際列車を運行していた。無論、海は渡れないのでドーバー海峡は船に乗り換え、フランス側では向こうの車両(ワゴン・リー等)が待っていた。
ドーバー付近へは、一度きり行ったことがあるだけで、また特別な思いも無いのだが、ロンドン西南部に位置するブランズハッチ・サーキットには幾度も行っており、その道すがら、横の築堤上には線路が走り、横目に列車が通るのを見ていたのだが、まさに昔のSR路線であり、ビクトリアからドーバーに向かう路線だった。
そうか、あそこを「ゴールデンアロー」や「オリエント急行」が走っていたのか。
さて、このブリタニア・クラス(Britannia Class)は、実はビッグ・フォー時代の車両ではなくビッグ・フォーを国鉄(British Railways BR)として統一してからの標準型機関車の第一号機にあたる。
スピード競争などに明け暮れた派手なビック・フォー時代と異なり、コスト削減やメンテナンス性向上の為、シリンダーはシンプルな2気筒となっている。
BRになってから生まれた機関車の特徴としてはデフレクター(機関車前部の左右に備わる排煙整流板)が備わっていることが、ひとつの目安となる。
そこで残念なのは「ゴールデンアロー号」の機関車(70004号機)にはデフレクターに矢のマークが付くのだが、DCC Sound仕様の、この機関車(70040号機)には無い。
何故かDCC Soundモデルには欲しいところが常に無いのですよ。
ま、それはともかく、このブリタニア・クラスはホーンビーの製品としては比較的に金型の新しい製品(最近の製品の意)で、かなり出来栄えが良い。ウエザリングをしないと運転席(キャブ)前の白いパイピングがやけに目立つが、それは別として、形状も日本のC62に通じるような癖の無い好ましいスタイルをしている。
そしてDCC Soundの操作出来るファンクションもF15まである。
変わったところでは、F10がフランジ音、と言ってもESUの機関車のようにカーブやポイントで自動的に“シャーン、シャーン”と鳴るのではなく、ボタンを押すと“シャーン、シャーン”が鳴る仕掛けで、戻さないと直線でも鳴りっぱなしになる。
また、F11はRail clankとあり、レールの繋ぎ目通過音なのだが、“ダダン ダダン・・・ダダン ダダン”と、まるで鉄橋を渡っているような音がする。こちらもボタンを再度押して消さないと鳴りっぱなしになる。ただ、F1のドラフト音(シュッ、シュッ)を消さないと、その大きなドラフト音というか走行音にかき消されて殆ど聞こえない。
ま、何でも無いよりはいいか。
とにかく、走行性能が良い製品で“フォーッ”という汽笛を鳴らして快調に走っている。