“ゴールデン・アロー”は1926年に運転を開始した特急列車で、イギリスのロンドンからフランスのパリに向かう豪華列車であり、”オリエント急行”と共にサザン鉄道(SR)の看板列車だった。
そんな“ゴールデン・アロー”の中古模型を手に入れたのが写真だが、機関車(バトル・オブ・ブリテンClass)は何とも派手な塗装がされていたものだ。
当然、ユーロトンネルなど無い時代であり、イギリス側はロンドンからドーバーまでで、ドーバー海峡は船に乗り換え、フランスサイドのカレーからはフレッシュ・ドールという名称の列車になりパリまでを走った。
車両は、イギリス側はプルマン客車で、フランスサイドはワゴン・リ客車となり、何れも”オリエント”急行と同じ豪華な車両で運転されていた。
ただ、ゴールデン・アローのプルマン客車の横には”金の矢マーク”とロゴが入る。なかなか粋なモンだ。
それにしても、このHornby製の車両の出来はなかなかなもの。しっかり作られたテーブルランプや、皺の寄り具合の絶妙なカーテン、楕円窓の中のガラスの模様、ドア横の手摺やドア・ハンドルに至るまで再現されている。
以前よりこの機関車は英国模型専門店であるメディカルアートさんで見ていたのだが、その塗装の派手さというか、オモチャっぽさから興味を持てなかったのだが、兄より実車の写真を見せてもらうと、気持ちが変わってしまった。
ご覧のように、蒸気機関車とは思えないほどスムーズで綺麗な形をしており、オモチャっぽいと思った塗装も、実車はこんなに美しかったのか、と一気に惚れ込んでしまった。
写真は保存鉄道のブルーベル鉄道で兄が写したものだが、保存鉄道故に美しい姿で動態保存されているのだが、とても素晴らしかった由。
話が前後するが、事の始まりは知人の方より、私がイギリス型を好んでいることから、”ゴールデン・アロー“の中古製品が大阪の、とある模型店に出てますよ、と教えて頂いたことから始まる。
ただ前述のように、その機関車のケバケバしい塗装からその気にならなかったのだが、兄から実物の写真を送ってもらい、一気にというか、翌日には大阪に向かっていたものだ。
例えば、これが車を買うのなら長期間悩んで購入を決めるものだが、その点、模型は気楽だ、ましてやイギリス型の中古ともなると、とても安い金額で手に入るので。
実物の写真と同じような角度で写してみると、少しは雰囲気が良くなるものの、実物の美しさや迫力は残念ながら再現出来ない。
普通、ウェザリングで汚せば実感味が出るのだが、この場合は逆にピカピカに磨かねばならない。
(写真は検索画像より)
“ゴールデン・アロー”の綺麗な写真を見つけたので使わせて頂くが、
やはり本物はカッコ良い。バトル・オブ・ブリテン機関車の色の鮮やかさも不自然ではないし、後ろのプルマン客車とも不思議と調和しているではないか。
そうか、機関車には、このようにヘッドマークと車体横の大きな金の矢が無くてはならない。
しかし、作るのは面倒だし・・・
まあ、とりあえず”ゴールデン・アロー”が手元にきたという話。