“京の台所”で有名な錦市場である。
鈴鹿から京都へは新名神が出来たおかげで、ずいぶん身近になった。
ふと思いついて、買い出しと共に鱧(はも)が食べたくなり、出掛けることにした。
タイトルの住所は目的の旬料理の店で、錦市場の中にあり、以前に一度行ったことがある。
因みに、京都の住所はグラフと同じで中京区の「錦小路通麩屋町東入」は錦通りと麩屋町通りの交差点から東入る、なので、東方向に行った所になる。
そのお店は、錦市場に面した表では海産物を売っていて、奥が旬料理の店になっており、さほど広くはないのだが、いかにも京都らしく、奥には坪庭が見える。
以前と同じように、鱧の入った松花堂弁当をお願いしたかったのだが、残念ながら鱧が入るのは6月からとのことで、今は穴子が付いていた。
これが、その松花堂弁当になるが、やっぱり京都、流石においしい。
最初の、すまし汁で、その後の味が想像出来るが、何とも良い味が出ていた。
やはり、どれを食べても美味しいのには感心してしまう。それに、海から遠い京都にも関わらず、刺身までがしっかりした身の食感があった。
少し狭い店では、人の会話が良く聞こえてくることも、逆に良いものだなと思えた。
後ろの老婦人達からは、「今度の地蔵盆の時やけどあんばい悪うて・・・」とか、一方の若いカップルは「この前なぁ、メッチャ頑張ってん・・・」など、言わば老若男女の京都の人々を感じることが出来たのだから。
という具合に、味も、店の感じも、京都らしさを味わうことが出来た。
とは言え、もとより鱧を食したかった頭はリセットされず、錦市場で炭焼きの鱧を買い込んで帰ることにした。この焼き加減、見ただけで美味しそうである。
鱧は小骨が多い魚で、だから一般的には食べられないのだが、そこを京料理ではシャカシャカと細かく包丁を入れて骨切りをし、食べやすくしたあたりが粋なんだけど・・・
いざ帰って食べてみると「何だ、これは! 骨が邪魔でしょーがない」ではないか、ちゃんとシャカシャカ出来ていないのか、あるいは外国産で骨が大きいのか・・・
いやー、錦市場にも「ハズレ」はあるんだ、という顛末であった。
このままでは後味が悪いので、もうひとつ。
今度の住所は、中京区堺町通三条下ル道祐町。因みに下ルは南に行くことを意味する。
京都の人なら知らない人が無いほど有名な老舗のコーヒーショップ「イノダコーヒ」だ。
錦市場からも歩いて5分くらいなので、買い物で疲れた体を休めるには最適のところなのである。
実に良い雰囲気を持つ店であるが、特に外のベランダ席が好きなんだな。