もはや私の内で毎年楽しみともなっている八光ジラソーレサーキット走行会。
昨年は初の岡山国際サーキットでの開催だったが、今年は再びセントラルサーキット(兵庫県)に戻っての開催で、私の乗る車はアバルト・チンクェチェントだった。
http://www.hakko-group.co.jp/tps/corporate/2010/05/post-35.html
八光自動車のスポーツ部門「アルファスポルト」のアドバイザーをさせて頂いているのだが、このサーキット走行会の時には、ドライビングレッスンとか先導走行などをしており、その走行用に例年、新しい車を準備して頂くので、何に乗れるのか毎年楽しみという訳であり、今年はアバルト・チンクェチェントが用意されていた。
このアバルト・チンクェチェント、エンジンは1400ccでDOHC16バルブにターボを備え最高135psを発生するが、車両重量が1110kgと軽いのでターボが効くと結構な加速感を味わえる。
面白いのはダッシュ上のスポーツボタンにより、ECU制御、ターボ過給圧増、そしてステアリング重さ増、まで変えるあたり、見掛けは昔のフィアット500のイメージながら、一方で中身はデジタル制御を採り入れた現代のクルマで、事実ハンドルの感じなど、グッと重さが増してサーキット走行にピッタリというか、非常に自然なフィールが得られた。
やはりアバルトを感じるのは足。
しっかりとした足で、ハードなサーキット走行でもロールやピッチの姿勢変化が少なく、しかし一方で路面からの突き上げ感は無い。というのも、このセントラルサーキットのバックストレートはかなり路面が荒れており、足の硬い車では上下に揺すられるし、レース用の硬い足の車ではタイヤが路面から浮くほどのデコボコなのだが、このチンクは前述のしっかりした足にもかかわらず、そのデコボコが気にならないほど綺麗にクリアすることから、足はちゃんと動かしつつ、ブレーキングやコーナリングでは踏ん張る足を備えている。
それにFFに付きもののパワーオン時のアンダーステアもほとんど無い。
また、TTCというドラクションコントロール機構を備えていて、コーナーで乱暴にアクセルを開けても車が感知してスロットルを調整するので、それこそコーナーの飛び込みで、無謀な速度で入ってしまって飛び出さない限り、一旦、コーナーに侵入すれば、後はよほどの無茶な運転をしない限り、このTTCにより車はスピンには陥らないだろう。
ただ、私の場合は、その先の車が少し滑り出すあたりをコントロールに使いたいので、TTCはオフにするのだが・・・
もうひとつの美点としてブレーキがある。かなりブレーキ容量に余裕があるようで、このハードブレーキを強いられるセントラルサーキットでも安心感がある。というのも、今回もサーキット・タクシーと言うか同乗走行をかなり行ったが、その同乗者分の重量増加による走行でも、終始ブレーキは安定して効き続けた。
などなど色々あるが、しかし何と言ってもイタリアの車の良さは、その持てる雰囲気だ。
運転席に乗り込むだけで他の国のクルマには無い、いかにもイタリアといった思いを感じさせてくれる。
このあたりが何とも憎いんだな。
それにしても、今回も良く走ったなぁ・・・