函館を出て翌日、目が覚めてベランダに出ると秋田港に接岸しつつあった。
便利なものだ、寝ている間に次の所に着くのかと、当たり前だが感心していた。
秋田では、当初より計画していた項目がある。
角館に行きたい、というのも秋田美人という言葉がある。確か酒の席だったが、秋田出身のレース関係者に、「秋田出身の美人は芸能人を見ても多いよね」などと話すと「角館だけですよ」と返って来た、当人もなかなかの男前だったが、「へえー 本当にそうなんだ」と思った。
戦国時代、常陸国の佐竹氏が関ケ原の戦いで西軍に属したことで、家康により国替えを命じられ、水戸から秋田・仙北(角館)に厳封された。佐竹氏は腹いせに水戸の美人を全て角館に連れて行った。(だから水戸には・・・)などと言う逸話があり、角館に興味を持っていた。

角館は秋田港からはかなり遠く、個人で行くにはJR秋田駅に出て秋田新幹線で行くことになるし、そうなると帰りの時間にも不安がある。ということで、ジャパネット・クルーズのオプションツアー”たっぷり滞在!みちのく小京都「角館」”(13,000円/人)を申し込んでいた。これはクルーズ港からツアーバスで角館に、そこで3時間の自由時間があるものだった。
因みに、ジャパネットクルーズのオプショナルツアーは、各寄港地で10種類ほど用意されており、事前に送られてきた資料により申し込む。

当初より予定していたが、角館に到着するや一番に人力車に乗った。
というのも、立派な武家屋敷の並ぶところだが、説明が無くては景色を見るだけと思えたからだ。
それは大正解で、車夫の方は実に親切丁寧に各屋敷、大きな樹木、異なる塀の高さに至るまで説明してくれた。

明快な説明の数々に感心していたが、この車夫のお兄さんが男前でカッコ良く、とても好感が持てた。おかげで、美人の話はどこかに飛んでしまった。
下車後、彼に教えて頂いた、最も城に近い辺りで、身分の高かった屋敷(現在の財務大臣)石黒家の中を見学してから食事に向かった。

秋田での食の目的としては「比内地鶏」と「稲庭うどん」を食することも決めていた。
これも、先程の男前の車夫氏に教えて頂いた、少し観光の中心地から離れた店で、お陰で並ぶこともなく入れた。
写真の「比内地鶏親子丼と稲庭うどんセット」を食べたが、意外にも比内地鶏丼よりも稲庭うどんが美味しく、いや、とても美味しくて驚いた。
こうして目的を達成して、武家屋敷からバスの駐車場に向かおうとすると「秋田犬」の看板があった。犬好きの私は秋田犬に触れられるのかと、そそくさと向かった。

写真はあまり大きく見えないが、大きな秋田犬が2頭(匹?)居た。
何とも存在感があり、何と可愛いことか。
秋田訪問の締めくくりになった。

この日の夜は「サンシャインパーティ」として花柄の服の着用だった。
もはや日課にもなっているが、夕食後にはロンドンシアターでのショーを見に行く、(写真を写せないのは残念だが) 毎日ショーが見られるのは何とも贅沢である。
そして、ショーが終わりシアターから出てくると、プロムナードではダンスが行なわれている。
年配者が殆どではあるが、ここはアホになって踊るべし、イヤーみんな元気だわ!!

朝、起きて15階の朝食のビュッフェに行くと、金沢港に接岸しているところだった。
思えば、秋田から金沢はかなり距離があり、東京から函館に2日間かけて行ったのに比べるとキツい筈で、夜にテレビのナビゲーションを見ると32ノットの速度を出していたが、無事にオンタイムで金沢に着いたようだ。
一昨年に金沢には訪れており、その時に回れなかった「21世紀美術館」の見学だ。
循環バスで金沢城の横の循環バス停に行く予定だったが、下船までの船内の行列に加えて、下船してからもバスへの行列が長く、諦めて横で待つタクシーで市内に向かうことにした。

21世紀美術館の入口、この日の金沢は小雨が降っていた。


21世紀美術館では色々な展示を見たけれど、一番見たかったのはコレだ。
何ということは無いけれど、作品のアイデアには感心した。

二つ目の目的は、ちゃんとした日本食を食べること。
以前に来た時は、やはり観光旅行で金沢駅の寿司屋で並んで「のどぐろ」を食べ、近江町市場での「蟹」を食べたが、あまりにも満足できるものでは無かった。
だから、ちゃんとした日本料理を食べようと、クルーズ前より店を探して、予約も入れていた。




クルーズでは、もう4夕食も連続でフルコースの洋食を食べて来ている、贅沢な話だが、でも正直言って特別美味いものでも無かった。
それを特に気付かされたのが、この店での日本料理の美味さである。いや、本当に日本の料理は美味しい。これは素晴らしい日本の文化である。
そして、美味しい日本酒も頂いたが、写真のお椀のような器の中に砕いた氷を一杯に、その中に冷やしたお酒が、このもてなしが何ともうれしい・・・・

ゆっくり食事をした後は、スーパー銭湯と言うのか「金沢ゆめのゆ」に行った。
クルーズ船の部屋にはシャワーがあるが、やはり狭いし、我々日本人としてタップリと湯舟に浸かりたいじゃないですか・・・いやー気持ち良かった!
入浴後はタクシーで港に向かったが、この後、韓国の済州島までは二日かかる、だから途中コンビニに寄ってもらい、何らかの買い物をして船に向かった。
今晩はカジュアルナイト、普段着だ。
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