旧型客車の車内。
子供の頃、毎年夏休みになると住んでいた京都から静岡の親戚に行くのが最大の楽しみだった。
京都駅の1番ホームからEF58の牽く普通(鈍行)の客車列車で兄と一緒に行っていた。
まさに往時を思い出させる旧型客車の車内である。
次は昭和の駅風景の写真だが・・・もう何処を訪れた時の写真なのか、お気付きの方も少なくないだろう。
そう、「京都鉄道博物館」での写真である。
それにしても、この駅舎や売店、もう少しウェザーリングを施して欲しかったかな。
所用で京都を訪れた折、時間があるので久しぶりに「京都鉄道博物館」に立ち寄ってみた。
日曜日だったこともあり、特に子供連れの客が非常に多いのには驚いた。(写真は帰路に写したのでガラ空きだが、開館過ぎにはうねる列が出来ていた)
神社仏閣が多い観光地の京都ではあるが、居住の人には身近かすぎて珍しく無い。しかし一方で、京都にはテーマパークの手合いが少なく、言わば「京都鉄道博物館」は稀有な存在で、子供を持つご家庭には格好の行楽地なのかと、長年京都に住んでいた経験から身勝手に想像した。
「鉄道ジオラマ」いわゆるHOスケール(1/80)の巨大レイアウトである。見学時間は決められていて1日6回開場/運転されるが、やはり人気が高く、開場前には長い列が出来ていた。
説明付きで個々の列車が順次運転されるシステムだが、感心するのは全ての列車に室内灯が付いていて綺麗に点灯して走っていた。
つい、この巨大なレイアウトの線路のメンテナンスはどうしているのだろうと気になってしまう。
鉄道模型は走らせると線路の表面や車輪は汚れて、やがて集電不良を起こして走行がバラついたり、室内灯がチラついたりするものだが、それらが全く見られないので、どんな手入れをされているのだろう、と老婆心ながら思ってしまう。
模型繋がりで行くと、多くの展示用車両は1/20スケールで作られていた。
当然、どこかの模型メーカーが製作したのだろうが、とにかく1/20だと、かなり実感的だ。
駅に停まる151系「つばめ」のシーンだが、駅の柱のリベットや雨トユまで表現されていた。
当然、各車両は非常に良く作られていて、このクロ151パーラーカーでは、正確な内装類だけでなく、窓下にあるヒーターまで作られていたのには感心した。
下はクハ421、やはり室内の出来が素晴らしい。
「京都鉄道博物館」と言えば、このダイナミックな扇形機関庫が有名だ。
機種も多ければ、動態保存の機関車も多く、誠に価値がある。
それにしても、よくぞ梅小路のこの機関区の場所に博物館を作ったものだと感心する。
反対側を見ると、東海道新幹線や東海道線が走り、少し先には東寺の五重の塔が見える、という抜群のシチュエーションの所に、である。
イギリス型の模型を楽しんでいる私としては、何かイギリスものは無いかと見ていると、こんなポスターがあった。LNER(ロンドン・アンド・ノースイースタン・レイルウェイ)の「フライング・スコッツマン」のポスターで、”キングスクロス駅10時発”とあり歴史的にこの時間で出発していた。そして、ライバルたるLMS(ロンドン・ミッドランド・アンド・スコティッシュ鉄道)の「ロイヤル・スコット号」もロンドン・ユーストン駅を10時に出発していた、などと・・・
我が家のレイアウトを訪ねて頂いた方々に、いつも説明している内容が浮かぶ。
博物館の出口にある旧二条駅舎内に、その「フライング・スコッツマン」を牽いていたLNERのA4型機関車の「マラード」が展示されていた。OO(ダブルオー)ゲージ 1/76の模型だ。(無論、我が家にも2両のマラード?がある)
説明書きにあるように蒸気機関車の世界最高速202.7km/hを1938年に記録しているが、それにしても85年も以前に蒸気機関車で200km/hオーバーにチャレンジしていたのは驚きである。
子供の頃は、殆どの男の子は電車が好きだ。
やがて、物心がつくようになると、多くの子供が電車好きから離れて行くもの。
でも、一部の人は鉄道好きが抜けずに残ってしまう。
私もその一人のようだ。
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