ピャー !! と甲高いホイッスルを鳴らして勾配を下るブルートレイン。
DCCサウンド化したEF65は、下り坂も上り坂でもBEMF機能により、一定の速度で安定して走る。
また、上に見えるEF58やDD51は停車中でもヘッドライトが点いているが、これらもDCCサウンド化した車両で、日本型車両もDCCサウンド化が進みつつある。
今回は、このKATO製のEF65をデジタル・サウンド化したレポート。
因みにBEMFとは、コントローラーより車載のデコーダーに速度指示をしたモーター回転数に対し、常に指示された一定の速度で走るようにモーター回転数を補正する機能のことである。
デコーダーはクマタ貿易のEF65用で、中身はESU社製のLoksound micro V4.0に日本の音(EF65の実車音)を入れたものである。
そしてmicroなのでデコーダー(写真手前)は小型であり、同様にスピーカーも(写真、デコーダーの上の黒いもの)小さいので、比較的簡単に取り付けらそうである。
音はクマタ貿易に伺った時にデモカーの音を聞かせてもらっていて、小型でも問題無く良い音がした。
とりあえず8ピン(写真、右寄りの緑のコンセント部分)を差し込んでみる。
左端の少し垂れ下がっているのがデコーダー。
デコーダーから2本線で手前に繋がってきているのがスピーカーで、スピーカーボックス(チェンバー)には、取付け用の出っ張りがある。
さてと、どう取り付けようか。
配置をしてみる。
デコーダーは8ピン付近の上、車体屋根上のベンチレーター部分の空間に位置するあたりに、8ピン上部を絶縁テープでカバーし、その上に載せてテープで固定してみる。
問題はスピーカーの配置であるが、運転台に入りそうなので、スピーカーボックスの出っ張りをニッパーで切り取ることで車体内幅に収まる。スピーカーの向きは台車の穴など、音の出が良いように後ろ向きに配置。
車体を被せて確認する。
デコーダーは見事に天井ベンチレーター部の空間にギリギリ収まる。因みにテーピングを半分していないのは、デコーダーは多少発熱するので放熱を促す為である。
位置の確認が出来たら運転台パーツのうち、前窓からよく見えるメーター/コントロール部分のみ取り付けることにし、椅子から後ろは切り取る。
その後、スピーカーボックスの白い部分は黒のテープを貼って覆い、目立たなくして床に取り付けた。
また、スピーカーは高さ的にも、天井に当たるので、天井の前の部分を切り取った。写真上のグレーのパーツが切り取ったもの。
因みに、前照灯の明かりを導くヘッドレンズが剥き出しになるが、明かりが漏れることも無いし、ライトが暗くもならない。
走行テスト。
こちら側の運転席にスピーカーが入っているが、黒くしたので全く判らない。
走りと、音と、ライトを試す。(テールの点灯は無い)
因みに各ファンクションは、
F0:ライト
F1:サウンド
F2:ホイッスル(長)
F3:ホイッスル(短)
F4:電子ベル音
F5:ブザー音
F6:アクセレーション/ブレーキング(低速/高速)
F7:スキール音
F9:連結音
となっており、ランダムにコンプレッサー、圧縮空気音が入る。
ということで、以前に大苦労の上でDCCサウンド化したC56と違い、8ピンが備わっていること、そして、デコーダー/スピーカーが小型になったことで、とても簡単にデジタルサウンド化が出来た。
むしろ面倒なのはDCC化よりも、手摺や碍子や等の取付けだった。
(個人的には勘弁してほしい)
F1を押してサウンドをONにすると、各種の起動音がしてコンプレッサーが働く音などがリアルに響く、そして、知らなかったけどEF65は釣り掛け式であり、発車時には“グーン”という歯車の音がして加速して行く。
デジタルサウンドというと蒸気機関車やディーゼル機関車など、大きな動力音を発するものを注目しがちだが、こうして電気機関車のDCCサウンドもなかなかのものである。
ついでながら、EF58には永末のサウンドデコーダーが入っているのだが、こちらも当然、停車していても色々な機械音が聞こえるし、そして釣り掛けの何とも懐かしい音と共に加速する。また、ホイッスルはEF65より音が低く、こちらもまたリアルだ。
レイアウトは複線なので、両方走らせた時には、すれ違いざまに“ヒャー” “ピャー”の2種類の音が楽しめるのである。