これは先日(12月12日)、鈴鹿サーキットで開催された「スーパーFJ日本一決定戦」のスタート直前のモニター画像である。
まずは、後ろまで見えないほどの参加台数に注目して頂きたい。
何と、46台のフォーミュラマシンが今から一斉にスタートを切るのだ。
このコラムには、あまり仕事の話は載せないのだが、このレースだけは私の中でも特別なレースなので筆を取った、いやキーを叩いた。
スーパーFJ(以下S-FJ)とは、本格的フォーミュラカーの第一歩としてJAF地方選手権のかかったレースである。
全国で5つの地方選手権があり、その各チャンピオンを招待選手として、そして全国からS-FJのドライバーが日本一を決めるべく終結して戦われるのがS-FJ日本一決定戦である。
内容は、A組・B組と半数ずつに分けて行う予選、そしてA組・B組それぞれ6周で行われレグ1レース。最後に決勝となるファイナルレースは全てのクルマが集結して争われることになり、そのスターティンググリッド上が最初の写真になる。
因みに、レースの世界での中心地であるイギリスには同様のカテゴリーとなるフォーミュラ・フォード(FF)レースがある。(FFレースはアメリカやオーストラリアでも開催されている)
そのイギリスのFFレースも英国内各地で地方選手権が開催されているが、シーズンの終わりに「フォーミュラ・フォード フェスティバル」というレースが開催されており、全国のFFドライバーが集結して(昔は300台も集まったが、今でも80台程度が集結)FFナンバーワンを決めるレースがあって、ここで優勝した選手から多くのF1ドライバーが生まれている。
その「FFフェスティバル」をパクッて、いや、真似て作ったのが「S-FJ日本一決定戦」なのである。
さて、そのファイナルレースのスタートをした写真がこれで、46台が雪崩れ込むように第1コーナーに向かう。そして、1台も接触することなく1~2コーナーをクリアして行ったが、その景色は壮観でさえあった。
参加者は、日本のトップドライバーを目指して走る若いドライバーが半数程度、そして長年S-FJレースに参加している人、あるいは30年余りもS-FJに参加している年配者の方(それが速いのだ!)という陣容だ。
それにしても今の若手はレベルが高い。
因みに、皆さんもご存じであろう現在F1ドライバーの角田裕毅選手は2016年に、このS-FJ日本一決定戦を制している。他にも、現在日本のトップドライバーたる、牧野任祐選手は2014年、大湯都史樹選手は2015年にそれぞれ、このS-FJ日本一決定戦の勝者である。
というように、このS-FJレースは腕を上げてステップアップして行くのに適したカテゴリーであり、実は、S-FJレースを振興する組織に今も私は所属している。
S字コーナーに進入して行く先頭集団。
タイヤが細いので、コーナリングでは車が多少滑り出し、ドライバーは巧みにコントロールを要するが、そのこともドライビングテクニックの向上に役立つ要素である。
全国から参加者が集まって来てくれるレースでもあり、表彰式もシッカリと開催している。
ただ、コロナ前までは同時にパーティ形式で開催出来たのだが、今は残念ながら飲食無しだ。
しかし、今年は支援して頂くスポンサーの応援も沢山頂いたので、優勝賞金は100万円にもなった!!(例年の倍だし、全体の賞金も引き上げられた)
これはファイナルレース10位までの表彰記念写真。(私も一応左端に)
この中から、日本のトップドライバーへと成長していく人が現れることを願う。