ズラリと並んだ、この見たことの無い顔の車、What ?
カリフォルニアの話題が続いて恐縮だが、もう少し辛抱を !
ある土曜日、ショッピングモールの駐車場であった車の集会だが、その色々な車の中に、まだ日本では見たことの無い、こんな車があった。
その素晴らしいデザインに惹かれた。
カリフォルニアの道を走っていて退屈しないのは、私のような車好きには色々な車が見られることだ。
ただ半分以上は日本車だと思うが、そうした中で、時折り見慣れない車に出くわすと興味を持つものだ。
そして、こうして見たことの無い車がズラリと並ぶと「何だ、これは」と離れられなくなる。
フロント・ビュー、かなりサイズの大きな4ドアセダンであり、近未来的でスリークなデザインだが、ウエスト・ラインは後方にかけてウエーブを画き、スポーティさを強調している。
リア・ビューが何とも魅力的なデザインで、スポーツカーのようなアグレッシブさを感じる。
ん!、しかし、どこかで見たような印象のデザインだぞ。
そして屋根は、というとビッシリとソーラー発電が、そうか、こいつは電気で走るんだ。
この車のエンブレムで「FISKER」とある。
ということで、この車はフィスカー・カルマという。
フィスカー・オートモーティブ社は2007年にカリフォルニアで創業している。
カルマは高級プラグイン・ハイブリッドカーで、エコとラグジュアリーが融合した初めてのクルマであり、環境を重視し、IT関係で世界のリーダーシップを握るカリフォルニア生まれらしい車とも言えよう。
後輪に300KWのモーターを2機搭載し、リチウムイオン・バッテリーを積むが、プラグインで家庭用コンセントから充電出来る。また主に発電を賄うエンジンは2リッター直噴ターボを搭載している。
0-100km/hが6秒という高加速性能を持ち、一方で燃費は28.5km/l。
要するに、ラグジャリー・静粛・スポーティ・低燃費・低CO2排出・など、現代の車に要求されるものを、これでもか!とばかりに備えている。
セクシーで魅力的なデザインは、創始者のヘンリック・フィスカー氏によるもので、氏はアストンマーチンのDBSやV8バンテージ、そしてBMW・Z8などをデザインしている。
そうか、だからリアスタイルにアストンマーチンのイメージがあったのか。
華やかさに花を添えるのは、フィスカー・カルマの第一号車は、レオナルド・デカプリオに納入され、その後も、数々の有名人が手に入れた。
とまでは良かったのだが・・・
しかし、発売して間もなく2台の車が炎上するトラブルがあり、1400台のリコールとなる。
また、リチウムイオン・バッテリーパックの供給元の会社が倒産して供給がストップしてしまったり、あるいは、ハリケーンで水没した車が炎上した、というようなことから経営が行き詰まり、フィスカー・オートモーティブは2013年に経営破綻してしまった。
その後、中国の企業の手に渡り再出発を目指している、という。
何ともドラマチックなフィスカー・カルマである。
因みに、カリフォルニアのEVで最も成功しているのがテスラだろう。
事実、そのテスラは時々目にすることがあり、こちらは既にカリフォルニアの社会に溶け込んでいるようだ。