久しぶりに鉄道模型の話、それも久々のメルクリン。
2台並んだドイツのIvh型蒸気機関車、なかなか壮観であります。
左側は以前より所有していたリリプト製のIvhで、このコラムでも以前に紹介したが、古いDCアナログ仕様の製品でテンダーモーター/駆動方式である。
右が新たに購入したメルクリンの製品で、当然メルクリンデジタル方式、ご覧のように停止中もライトが点き、そして発煙装置により煙を吐いている。
因みにメルクリンは形式が、バーデン大公国邦有鉄道 Ivh 型から、ドイツ国営鉄道(DRG)後の姿としてBR 18.3となっている。
この美しいIvhは私の最も好むところの蒸気機関車で、そのプロポーションは世界一美しいのでは、と思っている。
でも、2輌も持つことになるとは思っていなかったのだが。
事の始まりは、友人を家に招いてメルクリンを走らせた時である。
銀座天賞堂でジャンク扱いで売られていたラインゴルト客車の3輌を見つけ、その後、手を入れて綺麗にし、室内灯まで点くように改造したので、この写真のごとく自慢げに走らせて見せたのである。
ヘッドライトを点け、煙を吐いてシュシュシュッとドラフト音を立てて走る機関車。テーブルライトも綺麗に光らせて走るラインゴルトの客車、
「どうだ、参ったか!」てなもんだ。
やがて彼は言った。
「この機関車と、客車って合ってるんですか?」と。
「うっ、それは!」
私は返答に詰まってしまった。
確かに、機関車はドイツ国鉄DB Class01型で、1966年頃の製造で石炭ではなくオイル焚きの蒸気機関車としては新しいもの。一方、客車は1920年頃の編成なので、確かに大きな年代の開きがあるが、そんな細かなことなど気にしない当方だったのに・・・
しかし何で鉄道に趣味を持たない、ド素人に指摘されないとイケナイのか。
と、以降、根に持っていたものである。
そして、いつしかIvh貯金をはじめて、遂に買ったのである、メルクリンのIvhいやBR 18.3を。
写真は購入させて頂いた大阪府枚方にあるメルクリンショップHRSのレイアウトを快走するIvhいやBR 18.3。
家ではメルクリンはいつも1800×1100mmのボード上で走らせてるので、こうした大きなレイアウトを走らせると気持ち良さそう、まるでドッグランですな。
こちらは兄のメルクリンレイアウト上での写真。
やはりドイツらしい景色の中を走らせると列車の雰囲気も盛り上がる。
このレイアウトは定尺(1820×910mm)の小さなレイアウトで、カーブは356Rを使っているが、当然のようにIvhはスムーズに走る。
ま、メルクリンはビッグボーイですら356Rを回れるように作ってしまうのだからIvhなどは、お茶の子さいさい、だろうけど。
このIvhの美しさは、全体のプロポーションや塗色にもあるが、高速列車用として2100mm(実物の直径)もある動輪を持ち、その細いスポーク動輪の為、走ると内部のフレーム構造がスケルトンのように見えるのも大きな特徴であり、メルクリンの模型もそこのところはちゃんと押さえていて、写真のようにフレームの構造が透けて見える。
クーッ!泣けますな。
もう一台のリリプトでは、テンダー(石炭車)モーター/動力方式で、機関車に動力機構を入れずに中のフレームをリアルに見せていたのだが。
メルクリンの偉いのは、機関車内部にモーター/動力機構を配しつつも、ご覧のように透けても、それらは全く見えない見事な構造を持っている。
ホント、どうやって動輪に動力を伝達しているのだろうと不思議に思う。
圧倒的な技術力を持ち、質実剛健な製品を作るメルクリンだが、
同時に、素晴らしいデジタルコントロールシステムなど、たゆまぬ先進性を持ってリードする姿は、
車で言うなら、やはりドイツのメルセデスベンツとイメージが重なるんですね。