イギリスは丘の上の街。
緩くカーブを描く街並み、その向こうに教会が見える。
道にはロンドン・タクシーと2階建てバス。そしてローバーと英フォードが行き交う。
彼方には坂の下の街並みが見え、そして緑の大地が広がる。
“HORNBY と BACHMANN”の2回目になるが、今回は鉄道模型というよりもストラクチャーの話。
HNモジュールを作る時、表現したかったイギリスの景色とは、実は鉄道風景以上にイギリスの街並みを作ってみたかったのであった。
ただ、駅のモジュールでは駅自体でスペースを使ってしまい、街並みを組み込むことが出来なかったのだが、本当は、こんな雰囲気を表現したかったのである。
写真の模型は、道路のセンターラインや歩道が無いなど未完成なものだが、それなりに雰囲気が出ているかと思う。
これらの建物は全てホーンビー製で英国製だから当然だが、全体的にイギリスの雰囲気をよく掴んでいる。
建物は全てレジン製で、細かな表現がされている。
これは警察署だが、ご覧のように非常に良く出来ていて、煉瓦や石、窓枠や屋根瓦など、レジンならではの型による細かな部分まで正確な表現がされている。また別に、外付けの雨樋や街灯なども精密に作られているが、触っても簡単に壊れない強度を持たせている。
一方、内側から見ると、このようにボテッとレジンの流し込まれた厚みだけが目立ち、窓も穴があるのみだ。
このシンプルな作りが大幅なコストダウンを可能にしているのだろう。
因みに、街並みにある各建物の価格は概ね2,500円前後だ。
モジュールでは当初、駅舎はPECOの製品を使う予定だった。写真の左側がPECO製で右側がHORNBY製。PECOはプラ製品で組み立てたものだ。なかなか良く出来ているのだが、しかし、こうして並べてみるとリアルさの違いは一目瞭然だ。(写真をクリックして拡大して頂くと解りやすい)
貧乏人だから、つい金額を気にしてしまうのだが、PECOの駅舎が3,400円、HORNBYの駅舎は3,000円で、価格的にも、そしてクオリティに圧倒的な差があり、当然HORNBYを使うことになった。
それにしても日本ではレジンを使ったストラクチャー製品を見ない。コスト面に加え、量産に適した製法であり、どこかやれば良いのに。
今度はカントリー・ビレッジの雰囲気だ。
こちらは道の右側の建物がBACHMANNの製品だ。
製法は同様にレジンによる。
面白いのはバックマンとホーンビーは系列会社なので、決して製品が重ならない設定がされていて、車両ではホーンビーが多少マニア志向の古いモデルが主体で、バックマンは現代志向なのだが、この建物に関しては逆にホーンビーが現代で、バックマンが古い側をカバーしているようにも思える。
で、写真に戻ると、左手前は小さな教会、塔の上には鐘と十字架が。右側の2つ目の(人が入ろうとしている)大きな建物はパブで、よく見ると看板が出ている。この建物の大きさからは2/3階はB&B(ベッド&ブレークファースト)なのだろう。
その向こう側には小さな茅葺き屋根のコテージだが、それぞれカントリーな良い感じを出している。
そして、通りの向こうには鉄道(BR MK1客車)が走る。
といった感じの景色・・・ 一寸いい感じじゃないですか。
さて、鉄道模型の愉しみ方として、こうして、景色を自宅で楽しめるのも大きな特徴であり、その景色自体を創作することから始まる、というアーティスティックな愉しみがある。