模型と思えぬこのリアル感、日本製品の真骨頂だ。
私の1×2mのレイアウト上での写真で、珍しく蒸気機関車が並んだ。
手前がC55、向こう側が9600だが、共に天賞堂の製品で兄から借りて来たもの。
天賞堂と言えば、JR東日本の車内にある通販カタログ「Train Shop」でご覧になられた方も少なくなかろうが、蒸気機関車が大体20数万円はしており、鉄道模型は高いものと思われたことだろう。
従来、同社の殆どの製品は金属製/真鍮を多用して作られたものであり、その細密度の高さと共に価格もそれなりに高いものではあった。
一方、このC55と9600はプラスティック製で、生産は例によって中国であり、それらにより価格もそれぞれ4万円オーバーする程度で、無論、安くは無いが金属製と比較すると格段に安くなっている。
しかし流石は天賞堂、プラ製品とは言え、金属のパイピング類を外付けにしている為、立体感があり、とてもプラスティック製とは思えない実感味がある。
無論、兄のウェザリング効果が大きく寄与しているのではあるが。
私の、このレイアウトはフライシュマンの線路を使っており、カーブでは最小356Rを使用しているが、急カーブ対応への改造が兄により施されているので両機関車はちゃんと走る。
こちらはトンネルから出てきた9600の牽く貨物列車。
こうして黒貨車を牽く雰囲気がキューロクらしさを盛り上げる。
今まさに356Rを走行しているが、実は4軸ある動輪の中2軸のフランジを削り取る、という勇気ある?改造が施されており、よって無理なく急カーブも曲がる。
因みに、当初はスローが全く効かず、ウオームギアをギア比が大きくなるように変更するという大作業を経て、今は素晴らしくスロー走行が出来るようになっているし、走りに重量感が出ている。
http://www.geocities.jp/momo24dan/my9600.html
こちらは、いつもの撮影ポイントのバックストレートでのC55と客車列車。
スハ系客車と良く似合い、とても落ち着いて見ていられる。
C55もスローの安定が良くないとのことで、コアレスモーターに変更したり、急カーブ対応に従輪の振り幅を大きくするなどの改造が施されている。
http://www.geocities.jp/momo24dan/C55.html
それぞれ改造に関するURLを添えたが、その改造記を見ると「よくやるなぁ」と感心するばかり、とても私には出来るものではない。
こうして、出来たものを借りて来て走らすのが極楽々々という次第。
因みに、メルクリンのDBType01と比較してみると、写真のようにボイラー周りの出来は圧倒的に劣る。射出成型によるパイピング表現が平面的で何とも寂しく、誠にオモチャ臭い。
ただ、最近のメルクリンは車輪やロッド周りの造形はとても良くなり実感味がある。
またウオームギア等の機構を隠し、車輪越しに向こうが透けて見えるのも本来だ。
そして、こうして点検灯なるものもデジタルで点灯出来る面白さがあるし、発煙装置も簡単に入れられる。
改造作業により、素晴らしい走行性能になっているC55と9600ではあるが、それでも走りの良さとなるとメルクリン・デジタルは圧倒的である。スピードコントロール性、集電性能、非脱線性能、急カーブ通過性能など、実に安定して走る。
まぁ、同じ鉄道模型とは言え指向が違うのだから比べる必要は無いのだが、「外観重視と走行重視」、日本とヨーロッパの模型の違いを目の当たりにした思いがする。