このコラムの総アクセス数で、もうすぐ第1位になりそうなのが「レイアウトはアートだ」である。
90×60cmのコルクボード上に作ったNゲージ(150分の1)のミニレイアウトを紹介したコラムであったが、市販のパーツを多用したこのレイアウトは、小スペース、お手軽、廉価に鉄道模型が楽しめるものであり、多くの方が興味を持たれているものと思う。
そこで今回は続編として写真を中心にもう少し紹介したい。
それと、小型車両の走るレイアウトとして最小半径140mmという急カーブを使って作ったものだが、18m級の車両が走れることが判り、そうした中型の私鉄車両が走ることでレイアウトの雰囲気も少し変化している。
タイトルの写真は中間駅での南海電鉄21000系(手前)と長野電鉄2001系。
こうして色々な鉄道の車両を並べられるのも鉄道模型の特長である。尤も、大井川鉄道では実車でやってるけど・・・・・
駅はトミックスのミニホームセットだが、250mm長で利用していて、長野電鉄2001系2連は全長240mmなのでピタリと収まる。
これはレイアウト右端の終着駅だが、この築堤上の駅に吊掛け電車(動力伝達方式で昭和初期の車両に用いられた)が停まっていると往年を偲ばせる雰囲気が漂う。
この車両は近江鉄道202系で17m級車両。
こちらは、もう一方の山側の終着駅での富士急5700系だが、駅もホームもトミーテックの街並みコレクションのもの、これも18m級2連が停まれる長さになっていた。
やはり中型車両が入ると駅の雰囲気も異なり、国鉄から払い下げられた地方路線のイメージを受けるから不思議である。
レイアウト左手の山間を走る南海ズームカー、やはり、この車両にはこうした景色が似合う。また、欲目で山も高野山にも見えようというもの。
因みに、線路はこの部分でS字を描いている。ミニレイアウトではややもすると同じ方向にグルグルと回りがちだが、こんな少しのS字でも車両の動きに変化が与えられる。
さて、このレイアウトではトミーテックのニューホビー、鉄道コレクション/街並みコレクションシリーズのものを多用している。
今回、写真に写っている車両は全て鉄道コレクションシリーズのものである。
当初は食玩的(グリコのおまけの意、例が古いか?)で、出来も少々荒かったが、第3弾あたりから以降の製品の出来栄えはかなり良く、500円前後の製品とはとても思えない。
ご覧のように、これほどアップにしても問題なく、二段窓の段差も付けて表現されていたり、結構ディテールがしっかりしている。無論、走らせるには3000円弱の動力ユニットが必要だし、パンタグラフもプラスティックのままでは線が太いので金属性に交換する必要はある。
手の平に乗せた同車両だが、Nゲージのサイズが判って頂けるだろう。こんなに小さいのに前の写真のようにアップに堪えられる出来となっている。
この車両は630円だが、問題は販売方法がシークレット方式とか言って、中身が判らなく、何が出てくるかお楽しみ、という奴で真にオモチャ臭い。オモチャだけど。
いくら安くてもそれはかなわないので私は多少金額は高くなるが中身を見せて売っている店(私の場合ポポンデッタ店)で購入している。
そもそも、このレイアウトを作るきっかけになったのもトミーテックの街並みコレクション(この写真に写っている建物は全て同コレクション)が鉄道コレクションと共に発売されていたからで、手際よく作られたこれらの製品は、適度なウエザリング(経年変化を表す汚れ等)も施されているので自然な雰囲気があり、面倒な建物の製作をしなくてもレイアウトが出来そうだと思えたからでもある。
何より車両同様に安い設定が有難い。これらも1棟500円前後なので、余るのを承知で、あれこれ建物を買い込んで街並みを考えた。
きっと、私に限らず多くの方が、この街並みコレクションシリーズでレイアウトを作られたことだろう。
廉価で、適度な品質で、しかし素晴らしい雰囲気を出している、このコレクションシリーズは日本のレイアウトの普及に大きく貢献していることと思える。