このホームページのアクセス解析をすると、これまでのコラムの中で最もアクセス数が多いのが「Railwayタイトルのレイアウト」で、2月にアップしたコラムなのに今なおアクセス数が多い。
リンクをして頂いている相手は、鉄道/趣味関係は非常に少なく、にも関わらず「レイアウトはアートだ」も含めて、鉄道模型関連のブログへのアクセスが常に多いことに驚く。
鉄道模型の趣味は、ややもすると子供じみて思われたり、オタク的に思われがちでもあり、案外好きでも表に出さないことが多い。しかし実際には、かなり多くの方が興味を持たれているようで、それが、このアクセス数にも反映していると思える。
それはともかく、「Railwayタイトルのレイアウト」は定尺サイズ(畳1枚)の16番(HOゲージ)レイアウトとして紹介したが、実は、今は1m×2mになっている。
その経緯を含め、このレイアウトをもう少し詳しく紹介してみたい。
定尺サイズというのは前述のように畳1枚の寸法で、言わば日本の家屋の基準寸法であり、このレイアウトのベースである発泡スチロールもホームセンターで簡単に手に入る定尺(910×1820mm)を使った。
50mm厚の発泡スチロールの上に緑の絨毯を貼り、その上にドイツのフライシュマン製のHOゲージの線路を敷いた(ストラクチャーを含め、置いてあるだけ)もので、レイアウトと呼ぶには恥ずかしいほどの非常に簡便な作りである。
元々はヨーロッパ型を走らせる目的で作ったレイアウトであり、ヨーロッパでは言わば常用される356Rという急カーブを多用している。
ところが、試してみると国産のプラスティック製模型の多くが、この急カーブを走れてしまった。
写真は356Rを行くEF65。(無論、車両によっては急カーブ対応の改造が必要)
そしてストラクチャーを和洋置き換えることでヨーロッパ型と日本型を楽しめるレイアウトとなった。
こうして定尺サイズで16番を楽しんでいたのだが、欲はキリが無いもので、そうした中でも、もう少しスペースが有れば、と思う部分が徐々に頭をもたげた。
それは例えば、駅間距離が極端に近い部分があるとか、駅のホーム幅が狭く実感味に欠けたり、2両しか停まれないホームがあるとかで、何とか広げられないかと考えた。
ということで、夢は「定尺から1×2mへ」と変わって行った。
何と大きな夢なことか。
こうして、ベースボードを横方向に200mm、縦方向に100mm延長することにした。
写真の奥側の白い部分が延長部分であり、新しい発泡スチロールを接着したばかりに写したものだ。
一応、両端は斜めにカットして、窓のカーテンにかかる部分を逃げている。(今は壁から離れているので窓にかかって見えるが、定位置にするとカット部分にカーテンが収まる仕掛け)
定尺の線路配置、僅かなスペースながらも356Rを多用し、カーブポイントを使うことでHOの線路をこれほどまで引き回せた。
これでも充分運転を楽しめたのだが、青色部分のホームの長さと幅が狭いこと。
そして、赤色の路線で駅間距離が短か過ぎるのを改良したかった。
1×2mになると全体的にかなり余裕が生まれたが、線路配置としては青の路線と分離した赤の新線により、駅間距離は大幅に広がった。
また、オレンジ部分の各ホームの長さと幅が拡がり、手前のホームには屋根が付き、中央の駅では跨線橋まで付いた。
定尺時のエンドレス上(手前の部分)のホーム。
さすがに定尺という狭いスペースにリバースを設置したり、線路を引き回したので余裕が無く、そのしわ寄せがホーム幅にきてしまい異様な狭さになってしまった。
ここまで狭いと日本型としては駅と見るのが一寸苦しかった。
1×2mになるとホーム幅が稼げたことで一気に駅らしくなった。Nゲージ用から改造した屋根も設置した。ホームにベンチや駅名標なども配置すると、目の前にあるだけに、駅らしい雰囲気が伝わってくる。
ホーム長は20m級3両は余裕で収まり、ホームから、はみ出しても良い機関車をプラスして4両編成の運転が出来るようになった。
定尺の時の中間駅、山あいの駅という感じで、それなりの雰囲気はあった。
この写真では、列車が駅に停車して見えるが、実は客車後部はまだトンネルの中でホームに入りきっていない。
どうしても距離が稼げず、20m級の3両は停まれなかった。
1×2m。上写真の定尺と比較すると、景色も随分と広がった印象で、地方の進展を見る思いがする。
長くなったホームは20m級3両編成は余裕で収まる。
停車中のキハ58は手前の低くなった汽車ホーム部分を残して3連が収まっている。
また、ホーム幅を広げて跨線橋を設置したが、駅としての存在感は大きく増した。
1×2mの新路線のクロッシングを行くDF50。
日本では本線上にクロッシングが滅多に無いので多少違和感があるが、運転上からは駅間距離が伸びて違和感は減った。
この写真からは絨毯の上に線路やストラクチャーを置いただけであることが良く判る。
実は、まことにイージーな作りなのである。
さて、フライシュマンのスタートセットを衝動買いしてから始まったHOであるが、その時には、まさか日本型の20m級が走り回るようになるとは思わなかった。
国産プラスティック製品の性能の良さ、価格の安さにも助けられて、ヨーロッパ型の車両と交互して、今は国鉄型の車両が多く走り回っている。
こうして、夢の1×2mへと拡大したレイアウトであるが、パッと部屋に入っただけでは気付かない。
そう、まだ家人にはバレていない様子なのだ。