スモールライトは誰の為、ウインカーは誰の為 運転 その4

Automobile

海外の運転と日本の運転で、大きく違うことのひとつに、スモールライトの使い方がある。
ご存知のようにイギリスは雨の多い国で、出掛けに晴れていても、雲が広がると薄暗くなり、やがて雨が降り出してくる。
初めて行った頃に驚いたのは、そんな時、少し薄暗くなってきたと思うと、周りの車は一斉にスモールライトやヘッドライトを点灯したのである。見事なほど一斉に。
また、アメリカでは曇天や雨天は当然として、晴れていてもスモールやヘッドライトを点灯して走る車も少なくない。
そこで、冒頭の写真になる。日本の薄暗い雨の日に写したものだが、まず殆どの車がスモールライトを点けていない。そして、ヘッドライトを点けている車の存在が、かなり後ろに居てもよく判るし、左側2台前の赤い車もテールライトでよく判る。


スモールライトは点灯しても前方を明るく照らす訳ではないし、以前はメーターの照明がスモールと連動して点いたのだが、今の車はエンジンを掛ければメーター照明が点くので常によく見えている。つまり、運転している人には殆ど何の影響も無く、メリットが無いように感じているのかも知れない。
それは自己中心的なものであって、自車の存在を外部の人に知らせるのには、実は非常に大きな意味がある。(冒頭の写真のライトを点けた車のように)
ライトを点灯することで、対向車に対しては、こちらの存在や位置を明確に見せられるし、テールライトも点くので後ろの車にも存在を意識させられ、車間距離を計りやすくさせられる。
そして何より、歩行者に早めに車の接近を認識させてあげられることになる。
つまり、スモールライトを点けることは、自分側のことではなく、相手に対して判りやすくさせてあげられる思いやりであり、マナーである。
全く同じことがウインカーランプにも言える。
ウインカーも点灯する意味は自分には殆どなく、曲がる意思を外部の人に知らせる為のものである。
こちらの使用は浸透しているものだが、ルールでもあり、点灯しないと違反になるので、まず殆どの人が点ける。しかし、本来の外部の人に自分が曲がる意思を見せる為、という意識の無い運転も少なくない。
例えば、前の車がブレーキを踏むので一緒に減速していると、止まる間際に右にウインカーを出すとか、「だったら早めに出してよ、左の車線に移動出来たのに」などと言うことは誰しも経験されているはずで、ウインカーは早めに点けなければ意味が無い。
ルールというよりもマナーとして車の運転を見た場合、日本も昔よりは数段向上したものの、まだまだ良いとは言えない。
テレビのコマーシャルで「イギリスではドアを開けたら次の人の為に開けていてあげる」というのがあったが、まさにその通りで、こうしたマナーは言わば常識である。
そうした他人に対する思いやりのある文化が、あるいはスモールライトの点灯にも繋がっているのではと思えるのである。
一方、日本にも、とても良いマナーがある。
それは高速道路等で前方に渋滞を見つけたらハザードランプを点灯して後部の車に知らせるアレのこと。
ハザードの点滅はかなり離れたところからでも判別しやすく、すぐに減速の体制に入れるのであり、このことは、これまでに多くの追突事故を防げているのではないかと思える。
因みに、アメリカでは同様の場合にハザードを点けるのは禁止らしく、渋滞が慢性的なロサンジェルスでは高速道路で急に渋滞に出くわすので追突しないように常に前方に注意を払わねばならない。特に車の流れる速度も内側車線では大体130km/h位と速いので注意を怠れないのである。
日本のハザード使用を真似すればいいのにね。
まぁ、何れにしてもマナー良く、格好良く走りましょうや。

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